「機能性表示」カテゴリーアーカイブ

【解説】機能性表示食品に係る届出に関するガイドライン④

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機能性表示の解禁からちょうど一ヶ月が経ちました。
このブログでも過去何回かに渡って機能性表示関連の話をしてきましたが、実際に動き始めると当初と印象が変わりますね。

5/8時点で、届出が受理されたは21商品まで増えてきました。
届出自体は100以上されたことを考えると、承認率は20%弱といったところでしょうか。

目立つのは脂肪燃焼系の成分とヒアルロン酸

脂肪燃焼系ではトクホでもお馴染みの『難消化性デキストリン』が目立ちますね。
食後の血糖値が気になる方に、脂肪の吸収を抑える、と言えるわけです。

キリンの『生茶』、『パーフェクトフリー』などが難消化デキストリンを使っています。
一方ヒアルロン酸は「皮膚の水分量を高める効果」について言及しています。
キユーピーや森下仁丹がヒアルロン酸関係の商品を出していますね。
上記の同成分に関して提出された論文はほぼ同じものだと推察されます。
例えば、キユーピーが他社に研究論文を売れば、買手側も同じ効果効能を言えるわけです。

原料メーカー側でもビジネスのタネが一つ増えるってことですね。
早々に受理された商品は、6月初旬には店頭や広告で見かけることになるでしょう。

 

受理されても安心できない

届出番号A8の蹴脂粒の関与成分が問題となっています。
これはリコムという会社が出した商品で、エノキタケ抽出物という成分がトクホで安全性が問題視され、商品化に至らなかった過去があります。
にも関わらず、機能性表示だと通ってしまったのです。
機能性表示の元々の目的は、企業の責任において、届出を行うこととなっており、トクホのように国主導で許可を出すことではありません。

新聞記事には行政がしっかり介入すべきだと書いてありますが、
正確性とスピード感とのトレードオフになるので、市場拡大のためにやむを得ないところもあると思います。

色々動きが出てきて健康食品業界も面白くなってきました。
業界に携わる身として、この動きが日本人の健康寿命を延ばすための一助となればいいと思っています。

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【コラム】機能性表示と知識と知恵

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昨日から新年度の始まりですね。

と同時に、業界関係者が首を長くして待っていた機能性表示食品の届出等に関するガイドラインもようやく出ました。

既に届け出を済ませた企業もあり、審査期間を踏まえると6月には第一弾の機能性食品が発売されそうです。
今年は健食業界にとって、大きな変化の年になりそうですね。

 

機能性表示についての記事は過去記事に散々書いたので、今日は機能性表示について学んでいる中で、知識と知恵について考える機会があったので、備忘録代わりに書いてみようと思います。

 

 

世紀の失策ゆとり教育

思い返せば学生時代、世紀の失策と言われたゆとり教育の被害をモロに受けたのが我々の世代でした。。
知恵をつけるという名目の意味不明な総合の時間。

考える力=知恵、を蓄える授業ということでしたが、何をやったか全く覚えていません。

唯一覚えているのが、先生達も何をやっていいか分からず、狼狽えていたこと。

今思えば、国が方針を出しても、具体的内容まで落とさないと現場は混乱するということを目の前で見れた貴重な経験だったのかもしれません。
さて、話を戻しますと、先日 羽生 善治(はぶ よしはる)将棋棋士の「決断力」という本を読みました。
この中に、
「知識を積み重ねていく中で、「知恵」に変えないと生かすことはできない」

 

という一文があります。
この文を読んで、早速知識と知恵の違いを調べてみました。

 

Knowledge:知識
知識というのは学習や実験、調査や観察などを通じて得られた事実やデータ、経験の積み重ねのことを指します。
→成分、実績、システムの使い方、検索すれば出てくるようなこと全般
Wisdom:知恵
知恵とは適切な場面で適切な知識を活用することができる能力のことを指します。

知識が事実やデータを”知っている”ことだったのに対し、知恵ではその事実やデータが起きる理由や意味を”理解している”というように、より深いレベルになります。

→自社の商品が何故売上が伸びないのか、商品を誰に向けて売れば良いのか、どうすれば LTVを上げることができるのか、など

 

思考段階としては、知識→知恵、というイメージでしょうか。

 

ハーブ4

 

知恵がある人は単なる物知りではなく、自分で考えて賢く生きることが出来ていると思います。

 

では、知恵を付けるにはどうしたらよいのでしょうか?

 

調べてみると、外資系コンサルやGoogle、Facebook等の入社試験で採用されている”ある理論”が出てきました。

 

フェルミ理論

フェルミ理論とは、つかみどころがなく調査するのも難しいような数量を、短時間でかつ論理的に概算することを指します。

ここで一問例題を考えてみましょう。
問い「日本で昨年 1年間に消費された割り箸の本数は?」

 

1分ほど悩んでみてください。

 

では答えです。

 

<回答例>

①日本の人口は約 1.3億人である

② 1世帯あたり平均3人として、約 1.3億×3 人=約 4000万世帯が日本に存在する

③そのうち働いている人は 1世帯あたり1 人と考えて、日本の労働者は約 4000万世帯×1 人=約 4000万人

④昼夜に外食を行う可能性が高いため、 1日あたり約4000 万人× 2本=約8000 万本の割り箸が使われる

⑤以上より 1年間に使われる割り箸の本数は、約 8000万本×365 日=約 292億本である

 

あなたの予想通りの答えでしたか?

 

この回答例以外にも、色々なアプローチが考えられますね。

 

 

最後に、フェルミ推定のコツをまとめます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1. いきなり答えを出そうとしない。
2. 求める数字をMECE(もれなく、だぶりなく)に分解する。
3. 2の数字があいまいならば、更に分解
4. 常識でチェックする。常識が最大の武器

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

既存のビジネスを拡大することはもちろん、新規ビジネスを考える場合にもとても役立ちそうですね。

 

普段生活している中でも、フェルミ理論は様々な事象に当てはめて考えることが出来ます。

 

知恵を付けるトレーニングとして、生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?

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【解説】機能性表示食品に係る届出に関するガイドライン③

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機能性表示についての記事も3日目。
昨日、おとといと続けて読んでくれてた人は、おおよそ機能性表示については理解が深まったことでしょう。
最後は表示の在り方に係る事項をまとめます。

【資料】
→  機能性表示食品に係る届出に関するガイドライン(案)の概要

【バックナンバー】
【解説】機能性表示食品に係る届出に関するガイドライン①
【解説】機能性表示食品に係る届出に関するガイドライン②
今までよりもかなり具体的な内容です。

 

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1、適切な機能性表示の範囲

(1) 対象食品
食品全般を対象とするが、対象外となる食品の考え方は以下のとおりとする。

1 特別用途食品、栄養機能食品とは別物として扱う
2 アルコールを含有する飲料や食品は対象外

→読んで字の如く、な内容です

3 過剰摂取について
過剰な摂取が国民の健康の保持増進に影響を与えているものとして健康増進法施行規則で定められている栄養素(脂質、飽和脂肪酸、コレステロ ール、糖類、 ナトリウム)の過剰な摂取につながる食品は対象外とする。

→当該栄養素の1日当たりの摂取量が、 厚生労働大臣が定める食事摂取基準(=健康増進法のこと)で定められている目標量を上回ってしまう等、当該栄養素を必要以上に摂 取するリスクが高くなる場合をいいます。
また、届出に当たっては、過剰な摂取につなが らないとする理由も付記します。

(2)可能な機能性表示の範囲

1, 医薬品のような表現をしないように、という薬事法の基本原則は変わらない。
てなことが書いてあります。

・容易に測定可能な体調の指標の維持に適する又は改善に役立つ旨
・身体の生理機能、組織機能の良好な維持に適する又は改善に役立つ旨
・身体の状態を本人が自覚でき、一時的であって継続的、慢性的でない体調の変化の改善に役立つ旨

→「診断」「予防」「治療」「回復」「緩和」「処置」等の医学的な表現は使用できません。薬じゃないからね。

 
2, 身体の特定の部位に言及した表現は可能である。

→ここが機能性表示で期待されていた部分。
曖昧な表現が減ってくると思われます。

特定保健用食品で認められている範囲内の表現は可能(疾病リスク低減表示を除く)になります。

そして、広く認められている研究結果を使えよ、うんぬん、って文が続きます。

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2、適切な機能性表示の範囲として認められない表現例

 
(1) 疾病の治療効果又は予防効果を暗示する表現
(例)糖尿病の人に、高血圧の人に 等

→特定の病気が治癒する様な表現はNGです。
一方で、既に特保で認められている、『身体に脂肪が付きにくい』とか、『血圧が気になる方に』などの表現は出来そうですね。

これは逆に、特保の優位性が無くなるということで、大手は最後まで反対していた点でもあります。
(2) 健康の維持及び増進の範囲を超えた、意図的な健康の増強を標ぼうするものと認められる表現
(例)肉体改造、増毛、美白 等

→これは今までとあんまり変わらないですね。

(3) 科学的根拠に基づき実証されていない機能性に関する表現
(例)限られた免疫指標のデータを用いて身体全体の免疫に関する機能があると誤解を招く表現、in vitro 試験や動物を用いた in vivo 試験で実証された根拠のみに基づいた表現

(4) 抗体や補体、免疫系の細胞などが増加するといった in vitro 試験や in vivo 試験で科学的に実証されているが、生体に作用する機能が不明確な表現 等 (2)容器包装への表示以外の情報開示

→(3) ,(4)に関しては、in vitroとin vivoという試験の根拠のみの実証については認めない、としています。

 
(5) 一般消費者にも分かりやすいように、消費者庁のウェブサイト及び企業等のウェブサイトで情報開示する、って書いてます

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(6) 国の関与の在り方に係る事項
商品の販売前に、1届出項目、2届出スケジュール、3届出内容の変更 に関する事項を明示しましょうってことです。
事後報告はNGです。

機能性表示解禁に向けて、今までのような推測の域からようやく具体的な内容になってきました。
今後も追加項目などが出てくるはずなので、しっかりとキャッチアップしていきたいと思います。

 

 

 

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【解説】機能性表示食品に係る届出に関するガイドライン②

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今日は1/14に発表された「機能性表示食品に係る届出に関するガイドライン(案)の概要」の解説の続きです。

【資料】
→  機能性表示食品に係る届出に関するガイドライン(案)の概要

【バックナンバー】
【解説】機能性表示食品に係る届出に関するガイドライン①


個人的には、思ったよりも厳しくない印象でした。
この機能性表示については、何度も紆余曲折しており、途中からは資本力のある大手企業しか生き残れない印象でした。

ですが、最終的なガイドラインについては中小企業にもチャンスのある内容だったので、非常に楽しみです。

再度の確認になりますが、具体的に企業が出来ることとしては、

・エビデンスがあれば企業の責任で商品の効果効能を謳うことができる
・広告などの表記としては、部位しか表示できず、効果効能については限定的な表現しかできない
Ex,「血圧が高めの方に~」など

ざっくり言うとこんなところです。

本日は「機能性の科学的根拠を示す届出資料の必要条件」である

1、臨床試験
2、システマチックレビュー(SR)

について書いてみたいと思います。

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1、臨床試験(RCT)

1)臨床試験ではヒト試験が必須
病人・妊婦・未成年での臨床試験結果は不可
現状、健常人での臨床データが少ないので、取得するのは大変かもしれません。
また、既に臨床試験を開始している大手何社かについては、
もしかすると再度臨床試験が必要になるかもしれません。


2) 臨床試験については、UMIN 臨床試験登録システム(UMIN-CTR)への事前登録が必要

基本的にはUMIN 臨床試験登録システム(UMIN-CTR)への事前登録が必須となります。

ですが、 知的財産の流出防止の観点から、制度スタートから1年以内は、登録無しでも問題はないそうです。
ちなみに食品表示基準の施行後1年を超えない日までに開始された(1例目の参加者が登録された)研究については、事前登録を省略することができるという先行者利益についても記載されています


3)臨床試験は、トクホに準拠

基準はやはり以前国が定めたトクホに準拠することになりそうです。
具体的には、12週に渡る第三者実施が必須となりました。
試験内容によっては、12週よりも短期間という場合もありますが、基本は12週だそうです。

また、本品のみでの臨床はNGで、プラセボ(偽薬)と本商品との比較は必須です。
そして、第三者試験機関での実施が必須になります。


4)査読付き雑誌からの引用について

今回、雑誌の名前や質は明言されませんでした。
なので、NatureやScienceのような難易度の高い査読付き雑誌でなくても良いということです。

出回っている論文のほとんどは英語であることを考えると、雑誌の方が引用元としては手軽かもしれません。
以上が、臨床試験(RCT)についての概要になります。
続いてはシステマチックレビュー(SR)についてです。

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2、研究レビュー(SR)


1)SRの対象は最終商品か、関与成分

関与成分による臨床結果は認められていないので、
その結果を論文化し、査読雑誌へ投稿し、DBへ掲載。
他の論文と合わせてSRをしなければならなくなります。


2)UMINの事前登録は必要ない

UMINのひな形=SRではないので、当然の動きじゃないでしょうか?


3)SRの論文は、すべてを調べなければならない

多くの試験が行われている成分では膨大な論文が出てきてしまいます。
しかも、その8割は英語と言われています。
専門の業者といえど、全てを調べるというのは非常にキツい仕事になるでしょう。

費用的には問題なさそうですが、手間と専門知識、そして情報収集が高いレベルで必要となってくることが何となくイメージできたのではないでしょうか。

解説のラストとなる3回目は、機能性表示のエビデンスが揃った段階で、具体的にどのようなことが言えるのかについて詳しく説明していきます。

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【解説】機能性表示食品に係る届出に関するガイドライン①

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ついに待ちに待った「機能性表示食品に係る届出に関するガイドライン」が消費者庁食品表示企画課より発表されました。
細かな部分の変更はあるかと思いますが、大枠はこの内容で固まりそうです。

ということで、健食業界にとっての明治維新とも言われる機能性表示について、3日に渡って要点を解説してみたいと思います。

本日は「安全性に関わる事項」です。

【資料】
→  機能性表示食品に係る届出に関するガイドライン(案)の概要

1、安全性に係る事項

機能性表示食品のネックのひとつと言われていた安全性評価に関しては、以下の3つの方法のいずれかで評価することになりそうです。
1)食経験での評価

今まで販売してきて健康被害がなかったとからという理由では、安全性は評価できないという内容です。

必ず、比較対象が必要だと書かれています。
比較がなければ、勝手に都合のいいデータを作れちゃうってわけですね。

今回の場合、「当該食品と同等の類似食品」があれば、食経験での評価を下記2パターンで認めると書いてあります。

<1>
日本国内で当該食品に類似した食品が、より広範囲で一定以上の期間、摂取されている場合

具体的には、ある水産メーカーが、DHAで機能性表示を取得しようと思った場合、販売量の多い他のDHA商品で、安全性に問題がでてないので、自社商品も安全だと判断するというケースが想定されます。

<2>日本国外(海外とそれに準ずる地域)において、討議商品との類似品が一定以上の期間摂取されている場合

例えば、日本で今まで販売したことの無い成分を売り出したいとします。その場合、海外の食経験で健康被害がないかどうかを調べることになります。

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2)既存情報による安全性の評価

食経験の比較による安全性評価ができない場合、データベースの検索結果によって安全性を評価してよいとあります。

「コクラン」「ナチュラルメディスン」などの医学データベースからとってくれば良いのです。

ですが、論文は基本的に英語、かつ専門的な用語も多いので、英語に長けている人でも解読には時間がかかります。

ということで、メーカー内だけで精査するこは非常に難しいというこになります。

先ずは通常の食経験(日本国内で普通に食べられているもの)のあるものから選ぶのが良いでしょう。

 

3)安全性試験による評価

流通も少なく、安全性に関する情報も乏しい、しかも医学データベースに情報がない場合は機能性表示を諦めなければならないのでしょうか?

その場合は、安全性試験をするように記載があります。
しかし、困ったことに、具体的にどんな試験をすれば良いのかは書かれていません。

そうなると、自社がどこまでやるかの問題になってくるのでしょう。
ここについては大分ファジーですね。

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機能性表示を行うならば、上記のうちどれかを満たすことで、安全性は担保できるということになります。

 

続く二回目では、機能性の科学的根拠を示す届出資料の必要条件について書いていきます。

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